TALK SESSIONトークセッション

「すこやかフェスタ2018」イベント会場でのトークステージ。
乳がんをいち早く見つける方法を会場の皆さんと一緒に考えました。

恩田 千佐子アナ

「キャッチ!」メインキャスター。2017年11月に乳がん手術を経験

矢方 美紀さん

タレント(元SKE48)。2018年4月に25歳で乳がん手術を経験

小林 茂樹教授

藤田医科大学医療科学部放射線学科の教授。画像診断の専門家

05家族の存在や自分の居場所が
大きな心の支えになりました。

せっかくなので、ここで皆さんからの質問を受けたいと思います。

治療中、心の支えはなんでしたか?

家族の存在が大きかったですね。乳がんと分かった後も、母が過剰に気をつかったり声をかけるということはなく、普段通りに接してくれたのが一番の支えでした。恩田さんの支えはなんですか?

私は夕方の「キャッチ!」という番組を担当しています。私が不在の間、後輩たちが番組を守ってくれている様子を、自宅のテレビで見ていました。抗がん剤の副作用で具合の悪い時もありましたけど、毎日毎日みんなが頑張っている姿を見て、「私もあの場所へ戻るんだ」という気持ちを持ち続けられて、それが大きな支えになりました。もちろん家族の支えも大きかったです。同じように治療されている視聴者の方からいただいたお便りの中にも、そうした意見をいくつか拝見しました。「職場のみんなが待っていてくれるから頑張ろう」とか、「元通りの生活に戻りたい」など。矢方さんも芸能活動をされていて、治療をしながらお仕事をする選択をされたのは、同じ思いじゃないですか?

名古屋でこのお仕事を続けていきたいと思っていましたが、乳がんが判明した当初は「辞めなきゃいけない」「諦めなきゃいけない」って思いました。でも、がんを患いながらもテレビで活躍されている方たちを見て、「私も続けたい!」って思えたんです。病気と戦いつつ自分の夢を追いかける。抗がん剤の副作用で辛いときも「やりたいことがあるから頑張ろう」と前向きになれました。

他に質問はありますか?

食事で気をつけていることはなんですか?

抗がん剤治療中の食事と今とでは違うと思いますが、矢方さん、いかがでしょう?

治療中は味覚が変わってしまい、食べ物を美味しく感じなくなりました。食欲はあるのですが。例えばコーヒーを飲んでも美味しいと思えなかったり。抗がん剤の点滴剤の色がアセロラジュースのような色で、それと同じ色のものが食べられなくなりました。抗がん剤を思い出してしまうんです。乳がんを患う前も、暴飲暴食をしたりお菓子をバクバク食べる方ではなかったんですが、今はなるべく家で食事し、野菜を積極的に摂っています。恩田さんは普段お家で食べることが多いですか?

そうですね。夕方の番組を担当しているので、朝のうちに夕ご飯を作って冷蔵庫へ入れ、先に帰ってきた家族が温めて食べるというスタイルをずっと続けています。なるべく野菜をたくさん摂れるメニュー中心で。あと、ちょっと前から水分を積極的に摂るよう心がけています。腎臓に小さな石もありますので。以前はコーヒーとビール以外、水分はほとんど摂っていなかったんです。食事の時にも少しお茶を飲むぐらいで、完全に水分不足でした。これってダメですか?先生。

先生、ものすごく頷いていらっしゃいましたけど(笑)

コーヒー、ビールともに利尿作用があるので、逆に脱水を起こしてしまうことがあります。

ビールとコーヒーだけじゃよくないですね。石を出すためにも水をたくさん摂りなさいと言われたので、会社で500ミリリットルぐらい飲み、家に帰っても水やお茶を飲むよう心がけています。水分はやっぱり必要ですか?

水分補給は大切です。

私、水が嫌いなんですよ。

分かります!味がないから嫌なんですよね。

そうなんです。水がダメで…。でも、病気をしてより水分を摂る必要があると知って、意識的に飲むようになってからは、ちょっとずつ好きになっています。
硬い水とやわらかいお水があって、硬いのは特に飲みにくいですよね。でも、お水を飲むように頑張りましょう。

頑張りましょう。だいたいどれくらい飲めばいいんですか?先生。

500ミリリットルのペットボトル2本ぐらいが目安ですね。

2本っていうことは1リットル!

2リットルや4リットル飲む方もいますよね。リットル単位って、どうやったら飲めるの?と不思議に思います。

水分をたくさん摂るコツを知っている方いらっしゃいますか?

ちょこ飲みがいいですよ!
脳梗塞を患ったので。1日に1.5リットルぐらい飲んでいます。

食事の前や後にちょこちょこ飲むと、それぐらいの量になるんですね。

これは参考になりますね。

一度にたくさん飲んでも尿で流れ出てしまいます。だからちょこちょこ飲むのがいいですね。10分、15分間隔で。

一気に飲むより、そういう飲み方がいいんですね。

ちょっとずつなら私も飲めそうです。意識したいと思います。

皆さんもぜひ参考にしてください。お時間が来ました。今日はお集まりいただき、本当にありがとうございました。最後に矢方さんからひと言お願いします。

乳がんを患うまで、自分がなるなんて思いもよりませんでした。乳がんはセルフチェックができる病気、自分で見つけられる可能性がある病気です。「あの時にしておけばよかったな」と後悔するよりは、月に一回のセルフチェック、年に一回の検診をおすすめします。自分の体を知ることが大事です。初めての検診はちょっと怖いかもしれません。でも、一度行くと雰囲気が分かるので、ぜひ受けてみてください。今日はありがとうございました。

小林先生からもお願いします。

これを機会にセルフチェックをしてみてください。何か異常があったら、検診に行くのではなく、すぐに病院へ行きましょう。よろしくお願いします。今日はありがとうございました。

ススメブースでぜひセルフチェックの練習をしてみてください。皆さんを守ることにつながれば幸いです。皆さん、本日はありがとうございました!

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